住まいノート

2018年竣工を目指し有名建築家と傾斜地に建つ平屋住宅を設計中。家づくりの失敗談やアイデアなどを掲載。

家の相場っていくら?注文住宅の資金計画

「注文住宅を建てるぞ〜」

と意気込んでみたものの何から手を付けて良いか困惑してる人いませんか?色々な本で家づくりのスケジュールを説明していますが、僕は何か自分の疑問に答えてくれていない感じがしていました。その理由が最近になって分かった気がします。要するに家づくりのフローって本当は複雑なんですよね。それを雑誌で説明しやすい様にキレイに描くから、どこか説明が不十分になってしまうのです。

家づくりの正しい作業フローって?

家づくりについては「お金」「土地」「建物」全ての側面から同時並行で考えないといけません。しかも「お金」の面で、問題があれば「建物」や「土地」の計画も併せて見直す必要があります。イメージとしては「ふりだしに戻る」が大量にあるすごろくをする感覚でしょうか?

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僕が言うのも何ですが

クソ面倒くさいですね(笑)

でもこの面倒を乗り越えた先に素晴らしい生活が待っているはず。一緒に頑張りましょう! 先程「お金」「建物」「土地」の全ての側面から考えないといけないと言いましたが、全てを網羅しようとすると僕の文章力では表現しきれないので今回は「お金」の側面から話を進めていきます

 

自己資金と借入可能額を確認する

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正直、お金が腐るほどあれば何も悩む事は無いです。お好きな様に建てて下さい。でもほとんどの人がそうじゃないですよね?日々の暮らしを切り詰めながら建築費を捻出しているはずです。ではどれぐらいの金額を建築に使えるのでしょうか?まずはローン試算サイトを利用し自己資金・返済金額・返済期間から予算の総額を試算しましょう

住宅ローン - シミュレーション|住信SBIネット銀行

 

欲しい家のイメージを明確にする

次に欲しい家のイメージを明確にしましょう。家にいくらかかるかイメージできない事が資金計画を難しくする主要因です。逆に言えば欲しい家のイメージさえ明確にすれば後はおのずと全ての予算が導き出されます。建築費が公開されている本を読むのが1番お手軽ですね。「SUMAIの設計」とか結構建築費を公開してくれていますし見てても楽しいです。

とはいえ「本を読みましょう」で片付けるとこのサイトの存在意義が無くなるので、僕の持っているザックリした価格帯毎のイメージを解説していきますね。

 

1000〜1500万円

この金額に収まれば正直凄いと思います。しかしそのためには相当ストイックにコスト削減する必要があります。ダイエットに例えると朝晩2回ライザップに通うぐらいのストイックさが必要です(笑)

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全てをシンプルにし最低限の機能に留める。よく見かけるイメージとしては壁材は全てワラン材、床は一部コンクリート土間にし床材すらもコストカット。とりあえず「大きな箱」を作って箱の中身はDIYやセルフビルドによって自ら仕上げるみたいなイメージでしょうか?場合によっては安っぽい仕上がりになる可能性もありますが、僕が依頼した建築家も素敵な自宅を1500万円で建てたと言っていたので不可能な数字ではないと思います。

 

1500〜2000万円

雑誌で取り上げられるローコスト住宅と言われるモノがこの価格帯ですね。「シンプル is ベスト」と言った印象で、一見するとローコストな感じはありません。床材や壁の仕上げなどパイン材など低価格品で徹底し、家の形もシンプルな総二階建。

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余計なこだわりは捨て気持ち良く生活出来る空間を作り上げた印象です。とてもコスパが良い価格帯ではないでしょうか。

 

2000〜3000万円

1000万円台後半とパッと見のイメージは変わりませんが「こだわりのマイホーム」。無垢の床とか珪藻土とか細かい要望を実現するとすぐに2000万円台突入します。

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冷静に考えたら1000万円台で収めれば良いと思うのですが「こんな事したら便利」「こんな雰囲気が素敵」言い出したら要望ってキリが無いですよね。そういう小さな要望の積み重ねの泥沼にハマる魔の価格帯です。

 

3000〜4000万円

オンリーワンの注文住宅」と言ったイメージでしょうか。ここまで来ると実生活には関係ない無駄な設備が増えてきます。無駄に大きいガレージとか、無駄に広いウッドデッキとか、無駄に大きい大解放の窓とか。

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予算に余裕があるのであれば是非やれば良いと思う金額帯。ただそんな高価な設備を入れなくても、工夫次第で色々な代替案があるのが家づくりの醍醐味です。1歩立ち止まって、コスト削減を検討するのも良いかもしれません。あと余談ですがRC造のにしたら簡単に3000万円に簡単に届くイメージですね。並々ならぬ思い入れがある人以外はRC造に手を出さない方が良いと思います。

 

4000万円以上

コレ以上は僕には想像する事も難しい領域ですね。一言で言うと「趣味が高じて作ってしまった住宅」写真の様なお菓子の家を作ってしまうイメージでしょうか?

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少し言い過ぎました。スミマセン。

でもこんな夢みないな内容が実現できたら、きっと面白いですよね。予算が許すのであればやっちゃってください。個人的にはこういうブッ飛んだ家を見てみたいです(笑)

 

建築費用を計算する

大体の本体工事費用のイメージがつきましたか?そしたら建築費用の総額を算出しましょう。建築家に頼むケースを例に説明すると建築費用は大きく3つあります。

 

本体工事費

大工や左官職人の作業費、家の材料費と言った家を単純に建てる費用です。これまでの説明を参考に本体工事費を想定して下さい。

本体工事費 = 上記参照

※傾斜地などに家を建てる場合、基礎工事費用が増えるので別途見積もりしてください。

 

外構費用

聞き慣れない専門言葉が出てきましたね。庭の植樹や、玄関までのアプローチ、駐車場の整備等屋外にかかる費用です。これもレベルによって差はありますが、最低限見ておく費用はコレぐらいでしょうか。 

外構費用 = 数10万円〜100万程度

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外構が与える印象って結構大事で「予算が厳しくてもシンボルツリー1本植える予算は残しておいた方が良い」と聞きます。少なくても良いので予算化しておいてください

 

設計・施工管理費用

建築家に依頼するとかかる設計費用と工務店の工事品質を管理する費用です。大体、工事費用全体の十数%と取り決めしている事務所が多いので、とりあえず上記の費用に15%をかけておきましょう。ハウスメーカーに依頼する場合も管理費等に含まれていると思うので資金計画上は計上していても問題無いでしょう。 

設計・施工管理費用 = (本体工事費 + 外構費用) × 15%

 

土地の予算を決定する

さて欲しい家を建築する費用が決定しました。すると自然と土地の予算が決定しますね。まあ当然の計算式ではありますが

土地予算 = 全体予算 − 本体工事費 − 外構費用 − 設計・施工管理費 

この金額で良い土地に出会えれば、資金計画は軌道に乗った様なものです。全然土地が見つかりそうに無い人は「ふりだしに戻る」です。このページの最初に戻って全体予算計画からやり直しましょう。

 

まとめ

ここまでサラッと書きましたけど、ちゃんと予算が残っていましたか?恐らくマイナスもしくは凄く少額になったのではないでしょうか?もしそうだとしても、それが普通だと思います。

  • 予算を増額する
  • 家のレベルを下げる
  • ひたすら安い土地を探す

を実施し、あなたにあった資金計画を作成してみてください。