住まいノート

2018年竣工を目指し有名建築家と傾斜地に建つ平屋住宅を設計中。家づくりの失敗談やアイデアなどを掲載。

平屋がブレイクの予感!メリットから読み解く平屋が流行る6つの理由

最近、密かな平屋ブームが来てます。グーグルトレンドで確認してみたところ「平屋」のキーワードを検索している人は10年で4倍にもなっています。確かに最近雑誌でも平屋特集をよく見る気がしますね。僕も平屋を志す者の1人として平屋の素晴らしさを皆さんにお伝えできればと思います。

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なぜ今、平屋が求められているのか?

最近、都心部では3階建てを見かける事が普通になってきました。狭小地でもシッカリ設計すれば素敵なプランになります。ですから僕も3階建てを否定する気は全くありません。しかしビッシリ立ち並ぶ3階建てをみて、僕はこうも思うのです。

「僕が夢見たマイホームはこんなんじゃない!!」

そう思いませんか?高度成長時代から密集した住宅を作ってきましたが、人口減少社会に入り土地が余りはじめた現代。その反動から平屋暮らしのライフスタイルを人々が求めているのではないでしょうか?

 

 

我が家の平屋設計計画

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そして上の写真は我が家の設計模型です。平屋にする事でどの部屋からも縁側を通して自然に触れられる清々しい雰囲気になりました。どうですか?平屋の素晴らしさを感じてもらえましたか?

 

平屋のメリット

家事導線をスムーズにしやすい

理想の家について考えると家事導線に悩みますよね。でも2階建て住宅で様々な動線への要望を満たすのって難しいです。なぜなら階段という動線を断絶する存在がいるから。でも平屋なら動線を断絶する存在が無いので動線の設計が容易になります。

 

バリアフリー住宅になり老後も安心

家を購入するのは20代、30代かもしれませんが老後の事まで考えておかなければなりません。子供が独立し夫婦2人となったら、そもそも2階って必要でしょうか?年を重ねると階段の昇り降りもつらくなります。バリアフリー住宅へ変身する平屋は魅力的ではないでしょうか?

 

構造が安定し地震や台風にも安心

2階建と1階段のどちらが安定するか?素人でも分かりますよね?「見てください」この写真の安定感!!ちょっと方向性が違う気もしますが(笑)ドッシリと大地に接地する安心感ってありますよね。

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特に日本は地震の多い国です。耐震性は家を購入する際に評価すべき重要な項目であるべきです。

 

家族のコミュニケーションがしやすい

1階と2階を分けるとどうしても各部屋の繋がりが分断されちゃいます。子供部屋を孤立させたくない。目の行き届くところで子供を遊ばせたい。という要望をお持ちの方には平屋は有効ではないでしょうか?

 

設計の自由度が上がる

単純な話、平屋の方が2階建よりも必要な柱や壁の量が少なくなり開放的な家にしやすくなります。大解放な窓を作りたい人、庭と一体となる家を作りたい人にはおススメです。

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また全ての部屋が1階でありながら屋根裏部屋の要素も兼ね備えているので、屋根勾配を活かした空間にできるのもポイントです。真四角の部屋よりも屋根の形が見える方が「一軒家に住んでる」感があって気持ち良いですよね?

 

メンテナンス費用を削減できる

長く住み続けると外壁等をメンテナンスする必要が出てきます。その時、足場の有無が工事費用に大きく影響します。平屋であれば足場を設置する必要もありませんから、メンテナンス費用を抑えられますね。

 

平屋をつくる上での課題・デメリット

建築費が上がるかもしれない

平屋にすると基礎と屋根が増えるので、工事費用が上がるという記事を多く見ます。しかし、平屋にする事で階段が不要になるし、トイレも1つで良くなるでしょう。また高い足場が不要になり外壁の工事費用は下がるでしょう。ですから一概にコストが上がるとは言えません。僕が依頼した建築家に言わせると見積の価格交渉材料としてと「平屋だから簡単でしょ?」みたいなイメージ先行で会話できるので、使い方次第では建築費削減の要因ともなりうるとの事です。

 

日当たりが悪くなる

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これが原因で平屋にしたくても、できない人も多いのではないでしょうか?確かにピッタリ隣に3階建が建ったら平屋にしづらいですよね。こればかりは設計ではどうしようもなく土地探しが重要となります。傾斜地とか自然林に面しているとか過疎地とか、平屋を意識した土地を探しをしてください。

 

プライバシー確保が難しい

メリットと相反するのですが、家族と言えども1人で集中したい時はありますよね?そんな時「サザエさん」に出てくる様な平屋だと「波平さんの怒鳴り声」や「人騒がせなサザエさんの悲鳴」や「タマの鳴き声」がひっきりなしに聞こえてきます。ですから適度には部屋を分離するという事も重要となります。我が家は中庭と半地下、ロフトを挟むことで適度に部屋と部屋が分離される設計にしました

 

まとめ

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色々と書きましたが、平屋を建築する理由ってもっと根本的なモノである気がしています。一言で言ってしまうと

「だって平屋の方が気持ち良いじゃない」

身も蓋も無いですね(笑)でも歴史的にみると日本では開放的な平屋(縁側)で暑い夏を乗り切ってきた風土があり、日本人の本能が平屋を求めているのではないでしょうか?こんな縁側でスイカでも食べながら夏休みを過ごせたら気持ち良いでしょうね。

 

月刊『建築知識9月号』にて平屋特集掲載中

もっと平屋について知りたい方は、ちょうど月刊『建築知識9月』で平屋特集をしていました。どこの本屋にでも置いてある雑誌では無いので下記のリンク先から購入してみてください。