建築家との家づくり | 住まいノート

2018年竣工を目指し有名建築家と傾斜地に建つ平屋住宅を設計中。家づくりの失敗談やアイデアなどを掲載。

焼杉で100年メンテナンスフリーな外壁を作れるか!?

現在建築中の我が家に、遂に外壁が張られました。

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見事に真っ黒ですね。真っ黒の原因は外壁材に使用した「焼杉」。なかなか使われる事のない建材ですので、今更ですが焼杉のメリット・デメリットについて整理しておこうと思います。

焼杉(やきすぎ)とは

その名の通り「焼いた杉板」です。特に瀬戸内海周辺で多く用いられた伝統的な外壁材で、表面を炭化させる事で腐敗や延焼から守る効果があります。アップにするとこんな感じです。

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表面全てが炭化してます。焼き過ぎですね、焼杉だけに(苦笑)

 

焼杉のメリット

くだらない冗談はさておき、焼杉のメリットには何があるのでしょうか?

耐久性

表面部分は炭なので腐敗や虫喰いがなく長持ちします。実際、私の母の実家は焼杉の外壁を使っていますが、築100年経っても健在です。つまり100年間メンテナンスフリー!(注:未確認情報なので、しっかりとした自己判断をお願いします。)他の外壁材が10年目ぐらいからメンテナンスを考えなければならない事を考えると、かなりのメリットではないでしょうか?

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断熱効果

焼杉が内部に空気層を持つので断熱効果も期待できます。簡単な事例で説明すると、同じく真っ黒な外壁材のガルバリウム鋼板と比べてみましょう。真夏の太陽に照り付けられるとガルバリウム鋼板 だと火傷しそうなぐらい熱くなりますが、焼杉だとほとんど熱くなりません。どうでしょう?なんとなく効果を想像できましたか?

 

調湿効果

内装の壁材とかも同じですが、外壁材も自然素材の方が調湿をしてくれます。それを聞いて「外壁なんて調湿しなくても良いでしょ」とか思っていませんか?外壁材の調湿は意外と重要なんです。なぜなら壁内部の結露から家屋の劣化が始まる事も多く、外壁材の調湿効果が家全体の寿命に影響を及ぼすからです。

 

経年劣化を誤魔化せる

一般的に使われる外壁材って、時間が経つにつれて苔が生えたりして汚らしくなりますよね?焼杉も時間の経過により、炭化層が削られ黒色が薄くなり、表面に出てきた杉板部分も灰色に変色していきます。その経年変化を「汚い」と感じずに「焼杉の味」として楽しむ事も出来れば時間が経ってもカッコイイ家であり続ける事ができます。

 

防火性

これは判断に難しいところで、既に燃えてしまっているのでもう燃えない。とも言えないそうです。だって炭火焼きとか炭を燃やしてますよね。普通の木材よりは防火性が高いけど、サイディングよりは悪いと言ったところでしょうか。杉板と焼杉を両方燃やしてみて比較された方がおり興味深い実験でしたのでリンクで確認してみてください。

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しかしどれだけ防火性能を証明しても法律上はそれほど認められれている訳ではなく、使用地域に制限がある事を注意しましょう。

 

価格はそれほど高くない

特殊な建材ですがそれほど高価ではありません。製品によって差があるので無責任な事はあまり言えませんが、木材より高価。サイディングと同等。ガルバリウム鋼板よりは安価。ぐらいのイメージでしょうか。

 

焼杉のデメリット

汚れがつく

簡単に言うと炭なので新築当初は触ると手が黒く汚れてしまいます。手ならまだしも洗濯物や布団なども黒くなるのは嫌ですよね。焼杉を利用する場合、物干し場の設計には十分注意しましょう。

 

反る・割れる

自然素材ですから、時間の経過とともに木が反ったり、割れたりする事は覚悟しないといけません。しかしそれは木造住宅のほとんどの建材言える事で、外壁材だけ特別に気にする事でも無いのではないでしょうか?工務店と相談しながら正しい対処をしていきましょう。

 

気をつけるべき商品選定

ここまで材木屋の回し者みたいに焼杉を褒めてきましたが、焼杉の購入にあたり注意してもらいたい点があります。焼杉として売り出している商品の中にはガスバーナーで表面だけ軽く焼いたものや、薬品で焼いたものなどがあります。それらの建材ですと、上に挙げたメリットを充分に発揮出来ない場合があります。出来るだけ直火で焼いた炭化層の厚い建材を選びましょう